最近はYouTubeなどの無料動画サイトで、ファミコンなどのレトロゲームをプレイする動画が流行しています。
「ファミコンは、自分がプレイするより上手い人のプレイを見ているほうが好き!!」という人も多かったのではないでしょうか?
そして、シンプルながらプレイヤーの心にスーッと入り込んでいくBGM……。
今回の記事ではシリーズ第1弾として、私がおすすめする名曲ファミコンソフトを3作品、ご紹介します!音楽に詳しいあなたにも参考となる情報を集めましたので、ファミコンの世界観を存分に楽しんでください!!
おすすめ名曲ファミコンソフト ベスト3!!

ファミコンの神曲BGMは無数に存在しますが、今回の記事では第一弾として「もっとBGMが評価されるべきファミコンソフト」を3選、ご紹介します。
今回の記事をきっかけにファミコンBGMの聴き方の幅が広がってくれれば幸いですし、あなたの持っている音楽性にも刺激が加われば、とてもうれしく思います!!
驚異の曲数!!『キャプテン翼Ⅱ スーパーストライカー』
『キャプテン翼Ⅱ スーパーストライカー』(以下、『キャプテン翼Ⅱ』)は1990年7月、テクモより発売されたサッカーシミュレーションゲームのファミコン第2弾です。
『キャプテン翼Ⅱ』はファミコン屈指の名作で、キャラクターゲームとしては最高の評価を、ファミコン専門誌で獲得しました。
ストーリーは前作と違い、テクモ版のオリジナルでした。当時は原作の『キャプテン翼』が連載終了していたため、ファンはファミコン版の『キャプテン翼Ⅱ』を、正統な続編と捉えていたのです。
通常、BGMコンポーザーはゲームソフト一本につき1人なのですが、『キャプテン翼Ⅱ』は3人のBGMコンポーザーが参加しています。曲そのものは短いのですが、ファミコンソフト一本に40曲近く収録されている・・・というのは、現在でも驚異的に感じます。
『キャプテン翼Ⅱ スーパーストライカー』のおすすめ度
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多彩なBGMが演出する、原作の持つ超人的なアクション
『キャプテン翼』の原作はリアルとファンタジーのバランスが実に絶妙で、超人的なキャラクターが躍動する姿とスポーツの爽やかさを強調したストーリーは、ファンの心をガッチリとつかみました。
『キャプテン翼』は「サッカーシミュレーション」という画期的なゲームシステムのためにあるような内容で、制作が難しいとされる「キャラクターゲーム」ではファミコン界最高の名作を完成させます。
衝撃作だった1作目との違い
スポーツマンガ界に引き続き、『キャプテン翼』はファミコン界にも衝撃を与えました。
ファミコン1作目の『キャプテン翼』は原作の連載が終了した後に発売され、ストーリーは原作の連載終了時点まで進みます。BGMにアニメ版主題歌のメロディを用いるなど、キャラクターゲームらしさを感じさせる内容でした。
『キャプテン翼Ⅱ』はオリジナルの要素が強くなり、前作の物足りなかった部分を全体にわたり補い、パワーアップさせた印象です。前作で起用された曲のリメイクも素晴らしく、ファミコン音源の魅力を目いっぱい引き出しています。
『キャプテン翼』のBGMで起用されがちなコード進行
『キャプテン翼』のBGMはキーにもよりますが、「Em(Am)」「C(F)」「D(G)」の組み合わせで構成された、シンプルなスリーコードが多い・・・といった印象です。
コード進行が少ないとリズムが際立ち、スリーコードは洋楽ロックに近い曲調になります。『キャプテン翼Ⅱ』のBGMはリズムがパワフルで、ギターソロのようなメロディも印象的です。
『キャプテン翼Ⅱ スーパーストライカー』のおすすめBGM
「オープニング」・・・1作目ではアニメ主題歌が起用されたのに対し、『キャプテン翼Ⅱ』からはオリジナル曲を起用。以降はシリーズを代表するオープニング曲としてファンに親しまれています。
「サンパウロFCのテーマ」・・・『キャプテン翼Ⅱ』の序盤、主人公の大空翼(以下、翼)はブラジルの名門チーム、サンパウロFCに所属。サンパウロFCはブラジル代表DFが2人もいる、ディフェンス能力の高いチーム。
個人的には、春の季節を感じさせるかのような、力強く爽やかなメロディに感じました。ゲーム序盤を盛り上げる曲で、プレイヤーの心をグッと、つかんでくれます。
「南葛高校のテーマ」・・・『キャプテン翼Ⅱ』からは、翼のいないチームを操作してストーリーを進めていくシナリオが出てきます。『キャプテン翼Ⅱ』では翼のいない南葛を岬太郎(以下、岬)が率いて、全国制覇を狙います。
BGMは3連符と16分音符を駆使した、ギターソロのようなメロディが特徴的です。いかにも「高校サッカー」といった雰囲気の曲調が、『キャプテン翼』の世界を盛り上げます。
「西ドイツ代表のテーマ」・・・原作では世界大会の決勝で戦った西ドイツ代表ですが、『キャプテン翼2』で準決勝の相手として日本代表と戦います。
BGMは1作目のリメイクで、よりへヴィメタルに近い曲調です。特に、ツーバス連打のような強烈なリズムは独特で、ファミコンゲームとしては、かなり珍しいアプローチに感じました。
「ブラジル代表のテーマ」・・・『キャプテン翼Ⅱ』で最後に戦う相手は、ロベルト本郷(以下、ロベルト)が監督を務める、ブラジル代表です。登場するメンバー12人のうち、10名が必殺技を使うという強力チームでした。
初めてブラジル代表テーマのイントロを聴いたとき、ものすごく緊張したのを覚えています。今聴いても緊張を感じさせる曲だと思うし、崇高なイメージが湧き上がってきます。
全曲が神BGM!?『ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人』
『ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人』(以下、『強襲!サイヤ人』)は1990年10月、『ドラゴンボールZ』シリーズのファミコンソフト第1弾として発売されました。
『強襲!サイヤ人』はカード型のロールプレイングゲームで、圧倒的な戦力差をカードの使い方によって打破していく・・・といったスリリングな要素を含んでいます。
難易度設定が絶妙で、地道な経験値稼ぎを強いられたのとストーリーが短めだったこともあり、リアルタイムでは熱しやすく冷めやすいタイプのゲームでした。
1991年8月には1年も経たず、続編『ドラゴンボールZⅡ 激神フリーザ!!』(以下、『激神フリーザ!!』)が発売されました。ゲームの操作性やボリュームはアップしましたが、BGMのクオリティはかなり低下してしまったといった印象です。
『ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人』のおすすめ度
ゲーム | |
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メロディ | |
サウンド | |
世界観 |
BGMを称賛するコメントが多数!!
コメ付きプレイ動画を視てみましょう。序盤からもう、『強襲!サイヤ人』のBGMを称賛するコメントばかりが書き込まれています。
『強襲!サイヤ人』のBGMはアニメ版『ドラゴンボールZ』以上に『ドラゴンボールZ』の世界観を表現している、といっても過言ではないでしょう。全曲が「神曲」「神BGM」と評されてもおかしくありません。
続編の評判はイマイチ!?
ファミコン版第2弾の『激神フリーザ!!』でも、序盤こそBGMを称賛するコメントはありましたが、『強襲!サイヤ人』ほどではありません。どちらかというと、ツッコミみたいなコメントが多いですね。
『激神フリーザ!!』のBGMがあまり盛り上がらなかった最大の原因は、戦闘シーンの曲を減らしたことでしょう。『強襲!サイヤ人』は短いストーリーの中でも4曲は用意されていましたが、『激神フリーザ!!』は1~2曲です。
まさかの、クソゲー化!?
1992年8月に発売されたファミコン版第3弾『ドラゴンボールZⅢ 烈戦人造人間』(以下、『烈戦人造人間』)はもっと、ひどいゲーム内容になってしまいます。ゲームのストーリーが原作に追いついてしまい、中途半端にゲームが打ち切られてしまうのです。
続編はファミコン情報量の限界をごまかしていた?
1993年8月には『ドラゴンボールZ外伝 サイヤ人絶滅計画』(以下、『ドラゴンボールZ外伝』)が発売されましたが、時はスーパーファミコン全盛期。存在を知っている人はごく少数でしょう。
すでにお気づきになられたと思いますが、1990年に発売された『強襲!サイヤ人』から1993年発売の『ドラゴンボールZ外伝』までの4作品、全て情報量の大きさが同じでした。ゲームそのものはパワーアップしていなかったのです。
情報量の大きさというのは、『ドラゴンボール』でいう「戦闘力」です。単純に、情報量が大きいほど、面白いゲームが作れます。通常は続編を出すたびに情報量の大きいソフトを開発するのですが、ファミコン版『ドラゴンボールZ』シリーズは『強襲!サイヤ人』を完成させた時点で、限界だったのです。
ファミコン版『ドラゴンボールZ』シリーズは、同じ情報量の中で、どこを削ってどこを増やすかという作業をくり返し、続編を出し続けたのでしょう。事実、『激神フリーザ!!』は『強襲!サイヤ人』よりゲームのボリュームは増しましたが、BGMが減りました。
『ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人』のおすすめ曲
「オープニング」・・・『強襲!サイヤ人』のオープニングはアニメーションとBGMの合わせ方が格好よく、海→空→宇宙とスピーディに移動する視点も見ごたえありました。ファミコンの電源スイッチを入れてすぐオープニング、というのも良かったですね!
「ラディッツ(ナッパ)戦」・・・『強襲!サイヤ人』の最初にして最大の難関が、ラディッツ戦です。経験値稼ぎしてもなかなか強くならず、やっとピッコロが魔貫光殺砲の使えるレベルに達したとき、「運が良ければ倒せる」くらいの勝率になります。
BGMは個人的に『キャプテン翼Ⅱ』のような雰囲気があって、ワクワクする曲・・・といった印象です。記事を書いているうち、初めてラディッツを倒した感動を思い出しました。
「ベジータ戦」・・・『強襲!サイヤ人』のラスボスはベジータ。RPGのラスボスといえば、巨大な怪物というのが定番です。しかし、ベジータは数あるRPGの中で最もラスボスに見えないラスボスでした。
しかしBGMはベジータのイメージにピッタリでラスボス戦にふさわしい、スピード感と緊張感を持たせた、印象的なサウンドです。
「エンディング」・・・『強襲!サイヤ人』ではサイヤ人との戦いに勝利し、ベジータを地球から撤退させるとエンディングにたどりつきます。
『強襲!サイヤ人』のエンディングBGMは『ドラゴンクエスト』のエンディングを彷彿とさせる、もったないくらいのドラマティックさでした。続編『激神フリーザ!!』のエンディングBGMは、ちょっとのんびりしすぎですね。
鮮明なベース音とメロディ!『ドラゴンスピリット 新たなる伝説』
『ドラゴンスピリット 新たなる伝説』(以下、『ドラゴンスピリット』)は1989年6月にナムコより発売された、縦スクロールシューティングゲームです。
『ドラゴンスピリット』のアーケード版は1987年に稼働しており、ファミコン版『ドラゴンスピリット』はゲーム内容こそアーケード版とほぼ同じですが、ストーリー上では続編にあたります。
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メロディならファミコン版、サウンドはアーケード版
『ドラゴンスピリット』はファミコン版とアーケード版でサウンドが大きく異なり、ユーザーによって好みが分かれます。
アーケード版のサウンドは「FM音源」と言われるもので、キラキラした高音域が特徴的です。サウンドに迫力が増したぶん、BGMのメロディはファミコン版とくらべ、地味な印象です。
アーケード版のFM音源とファミコン音源で好みが分かれるのは、珍しくありません。1980年代に開発されたナムコのゲームは特に、異なる音源による印象の違いが目立ちます。
リズム音の無いステージBGMと効果音の無いボス戦BGM
ファミコン版『ドラゴンスピリット』のBGMは、ボス戦を除き、リズム音がありません。リズム音をほとんど使用しない名作ゲームはファミコンに多く、代表格は『ドラゴンクエスト』シリーズです。
「リズム音の無いBGMなんて、迫力が無くて物足りない!」と普通は考えてしまいます。しかし、シューティングはアタックの強い効果音が無数に飛び交うゲームです。結果としては、リズム音に近い形でBGMを補っていると捉えることもできます。
ところがボス戦になると、リズムトラックが加わったBGMが流れ、今度は効果音が聞こえなくなります。容量の制限もあり、中途半端に感じるユーザーも多かったでしょう。しかし個人的には、ボス戦の緊張感がうまく演出されているといった、肯定的な印象です。
『ドラゴンスピリット 新たなる伝説』のおすすめ曲
「エリア1 The Paleozoic Era (古生代)」・・・ファミコン版『ドラゴンスピリット』のBGMは鮮明なベースラインが特徴です。エリア1のイントロで聴かれるベース音の8分ルートはシンプルながら、シューティングゲームのスピード感を味わえるフレーズでした。
「エリア3 Jungle (密林)」・・・ファンにも人気の高い名曲です。ベースラインはオクターヴの上下を多用するなど、リードのメロディの明るさと絡んで、ジャングルのイメージにふさわしいBGMに仕上がっています。
「エリア6 Glacier Land (氷河)」・・・エリア3と並ぶ、人気BGM。「氷河」のイメージにバッチリ当てはまっています。エリア6のBGMに関してはメロディより、冷たくも少しやわらかいサウンドの方で「氷河」らしさを演出している、といった印象でした。
「エリア7 Deep Sea (深海)」・・・個人的としては最も好きなBGMです。リアルタイムでプレイしたときはドラゴンが深海に潜って進撃していく・・・という世界を想像したこと無かったので、エリア7のBGMがとても幻想的に感じました。
「エリア9 Dark Castle (ダークキャッスル 前半)」・・・ステージ0で聴くことができるBGMのロングバージョンです。当時はマイナーペンタトニックスケールなどの初歩的な音階すら知らなかったので、ベースのフィルインにはかなりのインパクトを受けました。
最高の音楽は、レトロゲームの中に眠っている?

ファミコンに代表される、レトロゲームの動画は現在、無料動画サイトに数多く存在しています。ゲームの進化は凄まじいもので、今や一生かかっても遊びつくせないソフトやアプリが世の中にあふれています。
しかし、時代とともに進化し続けるゲームにも、レトロゲームが最新のゲームに勝ってしまう分野があります。お分かりですね?BGM・・・レトロゲームのメロディには、最新ゲームのリアルなサウンドに負けない魅力が詰まっているのです。
ごく限られた条件の中でゲームの世界観を最大限に引き出した、コンポーザーの努力の結晶を何度も感じていきたいですね!!